フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキの1994年公開の作品。
マッティ・ペロンパーとカティ・オウティネンのカウリスマキ組の主役コンビの恋愛ロードムービー。
60年代のフィンランド、レイノ(ペロンパー)は喧嘩早い田舎者のロックンローラーだが恋愛には奥手で不器用、そんな役はペロンパーがぴったり合う。
相棒のヴァルトのコーヒーミルを常に手放さない設定などアキらしいユーモアが光る。
レイノとタチアナの会話は基本噛み合う事も無くぎくしゃくしかしないのだが言葉無く惹かれていくのが面白いし正にカウリスマキ映画の真骨頂とも言える。
ホテルのレストランの唐突に始めるオチの無い会話の気まずさが絶妙。
この作品にはカウリスマキの美学とユーモアが濃厚に詰まっている。
残念ながらマッティ・ペロンパーは95年に心臓発作で死去。
アキの映画を具現できる完璧な俳優であったと思える。